ER-Complete℠

適切な胚移植のタイミングと環境を

ER-Complete℠サービス

体外受精(IVF)で胚の着床が成功するには、胚と子宮内膜との相互作用が重要であることが研究で明らかになっています1
ER-Complete℠は患者さんに合わせた現実的な治療経路を決定できます。1回の子宮内膜の生検で得られる3つのシンプルな結果により、胚移植に適切なタイミングと子宮内膜環境を確認することができます。

ER-Complete℠は、胚移植のタイミングや子宮内膜が適切な環境であるかどうかなどの3種類の検査結果を1度で得られるサービスです。

ERPeak℠検査
①着床の窓
 (WOI: Window Of Implantation)

ERBiome℠検査
②ラクトバチルス属(4種)の割合
 (クリスパタス、ガセリ、イナース、ジェンセニー)
③子宮内膜に存在する特定の微生物の有無

また、ER-Complete℠は移植をお考えの胚の数に限りがある患者様や、子宮内膜が胚移植に適切な状態かどうかを知りたい患者様に特に役立つ可能性があります。

ERPeak℠検査は、関連するホルモンが調節する遺伝子の発現を測定することで、胚移植に理想的な日を特定し、子宮内膜の着床能が最も高いと考えられるタイミングを提案します。
これにより、着床の窓(WOI:Window Of Implantation)の時期に胚移植を予定することができます。

着床の窓

胚が着床する可能性がもっとも高くなるのは、着床の窓(WOI)と呼ばれる期間です。
反復着床不全の女性の43.5%にはWOIのずれが認められており、これが原因で胚が着床しない場合があります2
WOIをどのように特定して胚移植の成功率の向上に役立つかを説明する動画をご提供しています。

ERPeak℠による転帰向上

550名の患者様を対象とした臨床試験において、ERPeak検査の結果を元に医師が胚移植を判断した患者様とそうでない患者様では、各結果に有意な差が認められました3

結果の解釈が容易に

シンプルな結果が、胚移植に最適なタイミングを知るうえで実用的な、患者さんごとの目安となります。

受容期前
子宮内膜は胚着床の準備ができておらず、受容期ではないようです。胚移植は子宮内膜の生検を採取した時期よりも後に実施されることが推奨されます。

受容期
子宮内膜は胚の受容に最適な時期です。胚移植は子宮内膜の生検を採取した時期と同じ時期が推奨されます。

受容期後
子宮内膜は、胚の受け入れに最適な時期を過ぎています。
胚移植は、子宮内膜の生検が実施された時期よりも早く実施される事が推奨されます。

非受容期(着床の窓のずれ
子宮内膜は着床に適していない状態です。検査結果を確定するため、2回目の生検の実施が推奨される場合があります。

理想的な子宮内膜環境であるかを判定します。

子宮内膜の環境を確認することが重要な理由とは?

・移植をお考えの胚の数に限りがある患者さま
・子宮内膜が胚移植に理想的な状態かどうかを知りたい患者さま

ERBiome℠検査は、患者様の子宮内膜の細菌叢を評価し、各々に合わせた治療方針を提供します。ERBiome℠検査で測定できるのは以下のとおりです。

①ラクトバチルス属(4種)の割合
(クリスパタス、ガセリ、イナース、ジェンセニー)
②子宮内膜に存在する特定の微生物の有無

ラクトバチルス属の重要性

ラクトバチルス属が優位であり子宮内膜炎がないことが、着床に適した環境と言われています2,4

結果の解釈が容易に

ラクトバチルス属の優位・非優位の結果とともに、胚の着床に悪影響を与えることが知られている子宮内膜に存在する微生物の検出結果を報告します。
ERBiome℠検査は、スクリーニング検査とみなされており、いかなる疾患の診断又は治療にも単独で使用することはできません。

References
1. K. Diedrich, B.C.J.M. Fauser, P. Devroey, G. Griesinger, on behalf of the Evian Annual Reproduction (EVAR) Workshop Group, The role of the endometrium and embryo in human implantation, Human Reproduction Update, Volume 13, Issue 4, July/August 2007, Pages 365–377,
2. Moreno et al, The diagnosis of chronic endometritis in infertile asymptomatic women: a comparative study of histology, microbial cultures, hysteroscopy, and molecular microbiology. Am J Obstet Gynecol. 2018

3. Ohara et al, Clinical relevance of a newly developed endometrial receptivity test for patients with recurrent implantation failure in Japan. Reprod Med Biol, 2022

4. Elnashar, A.M. Impact of endometrial microbiome on fertility. Middle East Fertil Soc J, 2021